本宮山
                          

   

            F20号の1/2(2009年の作品)


大きく広がった秋空を眺めていると

そのすぐ下には本宮が在るんだなって


故郷への錯覚に陥る


幼き頃から、馴染み深いその山を眺めては

憂愁を、悲しみを、苦しみを和ませてきた

四歳からの我の全てを見つめていた山は

十九歳になったとき


「もう、お前は一人前だよ」って


我が三河から出ることを許してくれた