青春詩集(第5章 苛立ち)
        
     誤解

  私は、現在の私を疑う

  自分が何であるかすら分からない

  唐変木の馬鹿野郎!

  私が間違っているのか

  世間が狂っているのか

 

  神よ、貴方様が本当に聖なる者なら

  私を分かってくれる筈だ

 

  もし、貴方様が魔神なら、私には用は有るまい

  何処か人知れぬ土地に私を葬ってくれ

  それとも貴方様は、

  私を苦しめ上げて殺す積もりか

  それも良かろう

  私は、喜んでその苦しみを味わうだろう

  貴方様が私に与えた苦しみは

  私にとっては麻酔となるのだから



               
  過 失

             お前の過失は許しましょう

             私の過失は許せません、どんなに小さなことでも

 

             お前の過失は許しましょう

             しかし、私の過失はやはり許せないのです

             ほんの些細のことでも

             それだけに、私は冷たい人間なのです

 

             お前の過失も、私の過失も許せない日が来た時

             初めて、私は暖かい人間となるのです

             今は、過失を許しましょう



        就 職

  余りにも純粋で、理想を追っていた俺の頭に

  就職を中心として“現実”と言うものが一度に

  襲って来て俺の頭の中を混乱させている

  一体、何が正しいことなのか

  何処までが許される限界なのか全く分からない  

  理想と現実が渦巻いている現在が

  俺にとって一番曲がり角に来ているのかも知れない

  「就職」は、人間を変える一岐路である



               無 題

         何が正で何が悪なのだい、誰が利口で誰が馬鹿なのだい

         彼が正しくて利口な気もするな、彼が悪くて馬鹿な気もする

         俺は間違っちゃいない

         いや、やはり俺が間違っているのかな

         誰か教えてくれ、誰か!

         でなきゃ、俺は人を信じられなくなっちまうよ!