青春詩集(第6章 再出発)

    望 み

  全てはおわった

  何もかも陰陽零

  それでいいのさ

  もう、

  古に現をぬかす事は二度と有るまい

  明日、明日

    明日、明日

 


                北 国

             何処か遠くへ行きたい

             人知れぬ高原を一人ぼっちで歩いてみたい

             誰も居ない高原で,

             澄み切った青空に向かって

             “ナギサのバカヤロー”って怒鳴ってやりたい

 

             何処か遠くへ行きたい

             誰も知らない海岸を一人ぼっちで歩いてみたい

             何か今にも現れてきそう水平線を

             ただ、ぼんやりと眺めていたい

 

             何処か遠くへ行きたい

             何人も足を踏み入れていない離れ小島を

             一人ぼっちで歩いてみたい

             そして、雄然とした一本の松の木に寄りかかって

             潮風に吹かれていたい

 

             何処か遠くへ行きたい

             誰も知らない清らかな谷川の流れを

             一人ぼっちで見送っていたい

             そして、その流れに向かって

             “誰かさんのバカ”って

             そっと小声でささやいてみたい

 

             何処か遠くへ行きたい

             一人ぼっちで・・・・・・・・・・・・・

 


     虚 脱

  俺の心にポッカリと空洞ができてしまった

  全てにやる気を無くした感じ

  何処かへ行ってしまいたい

  全てをやりっ放しで

  一人ぼっちになって

  心の空洞をじっくり考えてみたい

  それが、何物であるかを

 


                友の死

             何と非情なる運命の悪戯

             来年からのお前の大阪暮らしを

             楽しみにしていた俺だ

             何故死んだのだ!

             人間の命って、そんなに脆いものなのか!

             俺はやるぞ、お前の分も

             空の何処かで俺を見つめて、正しく導いてくれ

             人の命がそんなに脆くば

             強く、正しく、でっかく俺は生きるぞ
             今は、お前の冥福を祈ろう