青春詩集(第7章 過去りし日々)

     思い出

  一週間の休みが、今、俺にあったのなら

  学生時代過ごした生活を、ここに再現して見たい

  三年前の生活は、俺の人生において、最も贅沢な

  生活になるであろう。

  当時は、全く好き勝手な生活だった。

  布団の仲に入って、絵を描きたくなれば、ガバッと

  飛び起き、キャンバスに向かって徹夜と言うことも

  しばしばあった。

  今夜は寝られそうもないからと、隣の奴がトランプを持って
  遊びに来たこともあった。

  午後四時頃目覚め、何飯だか分からない食事をとり

  好きな学科の勉強をし始めた事も有った。

  仮に今の俺に一週間の休みが有ったとしても、

  トランプを持って現れてくれる奴がいない。

  再現出来ない時代が思い出なのだろう。

 


               愛 着

             半跏思惟像は元気かい?

             会いたくなったな

             自分の気に入った作品には

             やはり、愛着を感ずる

             会ってガッカリするかも知れない

             自分の手元から離れたときから

             徐徐に美化されて

             今では傑作中の傑作みたいな気がする

             半跏思惟像は元気かい?

 


        渚南町

  今の生活に、巴里への郷愁じみたものは全く感じ取れない

  大阪における、巴里へのそれは何であったろう

  一人で生活していた寂しさだろうか

  現在に比べて余りの暇が、そのように空想化してしまったのだろうか

  それにしても何故、当時、巴里と言う街が頭に浮かんだのだろう

  古都、京都の隣に位置する枚方に

  何故、西洋の巴里が存在し得たのだろう

  美学への執着だろうか芸術への追究だろうか

  未だもって俺自身解明出来ないでいる

  いつかまた、あの街を訪れた時

  巴里と言う言葉が

  真っ先に頭に浮かぶであろう